能登半島を襲った9月の豪雨で、被害の大きかった石川県輪島市町野町の鈴屋川の水位が、同月21日午前9時からの1時間20分の間に約4.7メートル上昇していたことが分かった。県が28日、豪雨を受けた河川や砂防の対策会議で水位の分析結果を初めて示した。
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県によると、1時間で100ミリの大雨が降り、県管理の奥能登47河川のうち21河川が氾濫(はんらん)。輪島市塚田町の塚田川の水位も1時間あたり約2・1メートル上昇し、短時間で一気に危険が増していた。
能登の河川は急流が多く、氾濫しやすいとされてきた。元日の地震で土砂が堆積(たいせき)したり、護岸が弱っていたりしたため、被害が大きくなったと会議で報告された。
会議は県や国、被災4市町などでつくり、年度末に今回の豪雨を受けた治水対策の方針をまとめる。県はハード対策と並んで避難などのソフト対策が鍵になるとして、地震による地形の変化を踏まえて氾濫想定区域図を来年の出水期までに改訂し、市町の避難計画に役立ててもらう方針。
珠洲市の泉谷満寿裕市長は会議で「100年に1度の豪雨に備えるというが、最近の気象の状況は、100年に1度の頻度ではないと思う。今回はほぼすべての河川で氾濫している。できるだけ早く対策を講じないと、また同じことが起きてしまう」と指摘した。